虹の袂を探しに

好きなものは好き 趣味の記録

舞台「27-7ORDER-」感想

先日東京公演千秋楽を迎えた舞台「27-7ORDER-」8日間12公演お疲れ様でした。明日からは神戸公演が始まりますが、ひとまずの感想を。


昨年上演された舞台「7ORDER」のスピンオフということで、前作を知らないままで大丈夫だろうか......と不安もあったけど、冒頭でしっかり世界観の説明があるし、7ORDER初心者の私でも大いに楽しめました!!だからもし、今までの作品を観ていないからという理由で二の足を踏んでいる方がいたら、絶対に観に行った方がいいと声を大にして言いたい。


さて今回の舞台は、いつかの時代、どこかの国のお話。公式HPにあらすじが載っているので!と言いたいところですが、多分読んでもピンとこない。かくいう私もいまいちピンときていなかった。あらすじでは主演の真田くんの役どころしか分からず、登場人物全員魅力的だからもったいないな〜〜と思っている。
だからこそ観て!観ればわかる!!凄くかっこよくて可愛くて切なくて愛に溢れたキャラクターばかりなので!!!中身のないプレゼンをしている自覚はある。でも本当に熱い舞台なのでたくさんの人に見て欲しい。

 

 

設定について思うこと

これが色々ある..............本当に。そもそもAZ法って無理があるじゃないですか。多国籍民の流入による荒廃。国力を維持するために国民全員に遺伝子検査を行い、その結果によってランク付けをするという法律だけど、何をもって優性とするのかとか、上位ランクであろうジャニスの子供のユウマがZなこととか、この法律が施行されたのは10年前のはずだけど、27年前にZ地区のゴミ箱に捨てられたユウマって......?とか。でもこの作品の肝はそこじゃないんだな。確かにAZ法はキーワードだけど、そこを突き詰めるんじゃなくて、音楽は才能じゃなく愛なんだっていう叫びを、真正面から受け止めることが肝要なんだと思う。こういう設定の甘さは小説や映画だったら辟易してしまうけど、演劇であり、生で役者の熱を感じられる舞台だからこそ、伝わるものがあるんだろうなという印象だった。

 


一人二役の座長

歌って、踊って、叫んで、大活躍の座長。ユウマとカズマの演じ分けについては、後半にかけて衣装替えもなくなり、見た目の境界は曖昧になっていくのに、全くの別人に見えるから凄い。今回の舞台がはじめましてだったけど、なんとも多才な方である。M6「27」の歌唱前、「俺は、お前らの伝説になりたい」という台詞がぐっとくる。真田くんいつも全力だから。
他のメンバーとの関係やプロジェクト発足に関わる事情についてはまったく明るくない、この舞台を観ただけの私でさえ、こんなにもZランクの革命児7ORDERを応援したくなっているんだから、もともと彼らを応援しているファンの想いはどんなにか......といつも思う。

 


あまりにもかっこいい伝説のロックバンド

世界を変える力があると言われるmemeoto moriの音楽。全曲いいんだな〜〜これが!CD売って!!
私バンドは絶対ドラムが好きになるんだ。分かってた。ヒビキ!可愛い顔して演奏中めちゃめちゃかっこいいのがずるい。それこそ子供っぽい顔と男らしいパフォーマンスのギャップがたまらないのよね〜〜って感じだ。ゴロウはライブシーンの煽りが達者で流石は元バンドマンである。赤髪も大変良くお似合いで、ヒビキとのニコイチ感も好きだ。
そしてショー。ものすごくかっこいい。全部が見所で、本当に目が離せない。尋常ならざるかっこよさで、定本くんが今まで演じてきたどの役とも違う、新しい魅力が大爆発している。ライブ中の粗暴さからは想像出来ないくらい、バンドの解散を言い出す場面の声音がどこまでも優しくて、本当に心の機微を丁寧に演じる方だなと思う。舞台の上で生まれる感情のラリー、お芝居の醍醐味を感じられる演技が大好きです。(突然の告白)
情感たっぷりの演技と迫力のライブパフォーマンス、どちらも最高なんですが、特にライブシーンは今まで見たことのないテンションと表情の大盤振る舞いで、こんな気持ち......はじめて......となります。しかも毎回。定本くん自身もライブシーンの見所について、大勢の前で中指立てるのを許されたことだと言っていたので是非見て下さい。挑発的な表情も最高です。個人的にはこめかみを打ち抜く姿も信じられないくらいかっこいいので見て欲しい。
今回の舞台、映像として残るのが本当に嬉しくてありがたいんですが、特にメメントモリのライブは絶対生で観ないと後悔すると思うんだ!!!!観に行こう!!何度でも行こう!!チケットはまだ取れる!!!!!!!!

 


スコアクラブの明るさに救われる

みんな可愛い。27年前よりも規制が厳しくなっているはずの現在パートの方が明るい雰囲気なのは、間違いなくスコアクラブのおかげだし、彼らのためにも、いつかみんなが当たり前に音楽を楽しめる世界を取り戻せるようにと願わずにはいられない。結成の経緯も知りたいので、さらなるスピンオフということでどうですかね。ダンスがとても良くて、特にM2「Love Shower」の後半、フリーダンスのパートが好きです。この曲だけ初日から拍手が起きていたのが印象深くて、手拍子するのもめちゃくちゃ楽しい。

 


ヤマトとゲンキ

メメントモリのCDを探すように仕向け、どんな理由があったにせよユウマが父親と向き合うきっかけを作ったヤマトと、それを最初に手助けしたゲンキ。性格もユウマへ向ける感情も対照的な2人だけど、どちらもユウマにとって大切なマブダチだった。過去と現在が重なっていく「27」のライブシーンを見て、メメントモリが命を掛けて叫んだからこそ今があるんだと実感すると共に、ユウマを応援する2人の姿がもの凄く涙腺を刺激してくる。歌わないし踊らない2人だけど、熱い演技で魅せてくれている。

 


ジャニスとタケウチ

ジャニス、歌が上手くて、笑顔が可愛い。あまりにも無邪気に「メメントモリを愛してた!」って言われて、うっかり私も恋に落ちそうだった。
そしてタケウチは絶対いい奴だと思うんだ。きっとジャニスにラストライブのこと教えてくれたのタケウチだよって友達が言っていた。
カズマに会えない日々、最愛の息子ユウマとも引き離され、悲しみに暮れるジャニス。それを見兼ねたタケウチは、メメントモリのラストライブの日、密かにジャニスを連れ出す計画を立てていた......
っていう独自の設定作りが捗ります。ほら、オタクそういうの得意だから。辻褄合わせはお手の物だから。

 

ショーの幸せを願う

居場所だったラブミュージックが検挙されて、ゴロウやヒビキとはいまだ再会出来ず、未練かな........って言いながらもメメントモリと音楽を深く愛し続けているショーの事を思って、涙で枕を濡らす日々です。
ショーの愛は大きくて深い。ユウマにかける言葉の優しさだったり、カズマを伝説だと語る熱い口調や、ジャニスと手を携えて音楽を守っていく未来をみているところからも伝わってくるんだな!大きくて深い愛が!!
ショーはユウマに当時の様子を語って聞かせられるくらい、カズマとジャニスの関係を把握していた訳で。そんな中、かつての恋人が、自分ではない、今愛している人と作った曲を、とても大事そうに歌うんだもの......ジャニスとユウマごと、カズマのことを大切に思ってるんだな......って思っちゃって、ショー様ファンクラブの一員である私は余計に辛いです。あまりにも切ない。明るくて穏やかな未来よ、早く来い。

 


東京公演は終わってしまったけど、まだ全体の折り返しにも達していない。全27公演、残り15公演、神戸でのさらなる進化が楽しみ。
舞台「27」がますます盛り上がっていきますように!!!!